『Area276』
会期:2025年8月20(水)〜8月31(日)
〈月・火休み〉13:00〜19:00(最終日18:00)
BE=Lab&Gallery
(大阪市中央区東高麗橋2-28 コジマビル2F)
下記作品を出展致します。
EVENING DANDELION(夕方のたんぽぽ)
ANGEL BUG2 (天使虫 2)
DAEMON
アーティストステートメント
子供の頃から絵を描くことは好きでしたが、架空のキャラクターや風景を手遊びで落書きする程度で、絵画というものに真正面から継続して取り組んだことはありませんでした。
真剣に絵を描いてみたい。そう思ったのは、ある画家の画集を図書館で見たことがきっかけでした。
クリス・オフィリ(Chris Ofili 1968~)。
イギリス出身のナイジェリア系アフリカ人で、イギリス最高峰の美術賞「ターナー賞」を、黒人として初めて受賞した画家です。
一見、ポップでアッパーなオフィリの作品には、どれも根底に人種差別というテーマが見え隠れします。
しかし、たとえどんな暗いテーマを扱おうと、どの作品も「絵を描く」という行為がもたらす純粋な快楽と多幸感に満ちあふれ、制作に向かう際のオフィリのトランス感覚がほとばしっているように感じました。
自分もオフィリのように、生も死も、喜びも悲しみも、快楽も苦痛も、希望も絶望も、すべて一緒くたにごちゃ混ぜにして、「行為としての絵画」に溺れてみたい。
そう思うと居ても立ってもいられず、とにかく一刻も早く何か描きたいと、クラフト紙や段ボール、木炭、アクリル絵具等の手近で安価な材料を使用し、心のおもむくままに、独学で絵画の制作を開始しました。
2019年。新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるいはじめる、少し前の頃です。
人とコミュニケーションを取ることが苦手で、コミュニケーションを介さずに自己開示ができる唯一の手段が、絵を描くことでした。絵を描くことだけが自分を癒し、救い、解放してくれました。
絵を描いているときだけは、「自分は今生きているのだ」と実感できました。
紙にこすれる木炭の振動を感じ、顔にはねた絵の具のぬめりを感じ、呼吸を感じ、脈拍を感じ、自分が生身の人間であったことを思い出せるのです。
絵を描く行為の中でだけ、消え入りそうな自己のアイデンティティを取り戻すことができました。
絵を描くという行為を、コミュニケーションの手段だとは思いません。
絵画は、コミュニケーションよりも、もっとずっと懐が深いものだと信じています。
たとえ描いた絵が屋根裏にひっそり仕舞われて、自分以外の誰一人その絵を見る人が居なくても、確かにそこに、完璧に自己完結したひとつの世界が、人知れずひっそりと、取り返しつかずに成就し、存在しつづけている。
そんな絵を一枚でも多く描きたいと願っています。
★作品展示履歴★
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2024年8月24日(土)〜 9月1日(日)
BE=Lab&Gallery
公募企画展「Area276」
出展作品 「たんぽぽ仏 DANDELION BUDDHA」
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2024年8月29日(木)~ 9月3日(火)
福岡アジア美術館
国際公募展 カンカク展#2・シンジダイヲアートスル・
出展作品 「緑夜 THE GREEN NIGHT」
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